院長(歯科医師)と歯科衛生士の仕事に対するギャップ
2024年7月9日
院長(歯科医師)と歯科衛生士の仕事に対するギャップ
歯科医療の現場において、歯科医師と歯科衛生士は非常に重要な役割を担っています。
しかし、これらの職種間で求められるものや期待にギャップが生じることが少なくありません。このギャップは、職場の効率や患者ケアの質に影響を与える可能性があるため、解消することが重要です。
歯科医師(院長)と歯科衛生士の間には、求められる役割や働き方に関するギャップが存在します。
歯科医師は高い専門性と柔軟な対応力を期待する一方で、歯科衛生士は働きやすい環境や公正な評価を求めています。このギャップを埋めるためには、双方がコミュニケーションを改善し、教育や労働条件を見直す必要があります。
持続可能な歯科医院運営のためには、両者の理解と協力が不可欠です。
本記事では、歯科医師が歯科衛生士に求めることと、歯科衛生士が求める働き方について詳しく掘り下げ、ギャップを埋めるための解決策を探ります。
院長(歯科医師)が歯科衛生士に求めること
院長の目指す歯科医院に必要な歯科衛生士像というのがあると思います。
・気遣いができる
・認定衛生士取得など、向上心がある
・歯科医師任せでなく、責任感を持ちながら働ける
など、歯科衛生士がこうだったら良いなと思い浮かべるのではないでしょうか。
まずは、院長が歯科衛生士に求める歯科衛生士像を整理していこうと思います。
1. プロフェッショナリズムと専門知識
歯科医師は、歯科衛生士に対して高度な専門知識と技術を持つことを期待しています。
これには、最新の歯科衛生技術や治療法に精通し、患者に最適なケアを提供する能力が含まれます。
また、職業倫理に従い、常に患者の健康を最優先に考えるプロフェッショナリズムも求められます。
就職してからも勉強し続け、知識や技術を身につけて欲しいですよね。
2. 患者ケアの質向上
”歯科衛生士が患者の口腔衛生状態を維持・改善するために重要な役割を果たすことができる”と歯科医師は認識しています。
そのため、定期的な口腔衛生指導や、患者に対する丁寧なケアの提供を期待しています。
歯科医師は、歯科衛生士が患者とのコミュニケーションを通じて、信頼関係を築き、治療の効果を最大化することを望んでいます。
3. チームワークとコミュニケーション
歯科医師は、歯科衛生士がチームの一員として円滑に協力し、情報共有や意見交換を行うことを重視しています。
これは、診療の効率を高め、患者に最適な治療を提供するために不可欠です。
歯科医師は、歯科衛生士が他のスタッフとの協力関係を築き、診療所全体の運営をサポートすることを期待しています。
4. 柔軟な対応と自己管理
歯科医療の現場では、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
歯科医師は、歯科衛生士が急な変更や新しい治療法に対応できる柔軟性を持ち、自らのスキルや知識を継続的に更新・向上させることを期待しています。
また、自己管理能力を持ち、自発的に業務に取り組む姿勢も重要です。
歯科衛生士が求める歯科医院での働き方
今度は、雇われている歯科衛生士が思う理想の歯科医院像について、整理・言語化していきます。
1. 働きやすい環境
歯科衛生士は、働きやすい環境が整っていることを求めています。
物理的な設備の充実だけでなく、メンタルヘルスを支える職場の雰囲気や人間関係の良好さも含まれます。
退職理由の上位に、人間関係が含まれており、歯科医院の環境を整備していく中で非常に重要なポイントとなります。
他にも、働きやすい環境として労働時間の柔軟性や休暇の取りやすさも歯科衛生士が長く働き続けるためには重要な要素です。
2. キャリアパスと成長機会
歯科衛生士は、自らのキャリアパスを見据え、成長機会を求めています。
「今時の子は、勉強しない」そのようなイメージがついているなと感じているのですが、そんなことはありません。
研修やセミナーを通じて新しい知識や技術を習得する機会が提供されることは、職場への満足度を高め、長期的な勤務を促進します。
セミナー参加したいけれど、セミナー代・交通費・必要に応じて宿泊費などを考えるとなかなかセミナーに行けないと感じている歯科衛生士も多いです。
歯科医院がお金面でのサポートがあることで、セミナーや学会にも参加しやすくなります。
また、昇進や役職の機会があることも、歯科衛生士のモチベーション向上に寄与します。
3. 公正な評価と報酬
歯科衛生士は、自分の働きに対して公正な評価と適切な報酬があることで、やりがいやモチベーションの向上に繋がります。
これは、給与だけでなく、労働の成果や努力が適切に認識され、評価されることを意味します。
歯科衛生士の愚痴の中で、
「なんで私だけこんなに働かないといけないの」
「給料は一緒なのにね〜」
このようなワードが飛び交うことも少なくありません。
公正な評価制度が整っている職場は、歯科衛生士にとって魅力的であり、長期的な勤務を支える重要な要素となります。
4. ワークライフバランス
女性の多い歯科衛生士にとって、ワークライフバランスの確保は、働く上で優先順位の高くなります。
仕事と私生活の両立ができる環境が整っていることで、歯科衛生士は職場に対する満足感を高め、健康的に働き続けることができます。
適切な労働時間や休暇制度が整備されていることで、歯科衛生士の定着率向上に繋がります。
まとめ
院長は、仕事がうまく回り、患者へ提供するものへの価値向上を求めているため、歯科医院の経営についての考えが、先にきています。
歯科衛生士は、自分の成長と仕事をする環境や報酬といったものを求めています。自分のためにと考えて、就職先の条件などを見ています。
ここにギャップがあることを理解した上で、職場環境をどのように変更・改善していくべきなのかを考えてみましょう。
次回のブログでは、ギャップを埋める取り組みについてお伝えします。