歯科医院のスタッフを辞めさせないための外部サポートによる新人教育
2024年8月13日
歯科医院のスタッフを辞めさせないための外部サポートによる新人教育
歯科医院の経営者として、効果的な新人教育の重要性を理解しつつも、実際の運用に悩む院長は多いのではないでしょうか。
・日々の診療業務が忙しくて、新人教育に十分な時間を割けない
・新人スタッフの離職率が高く、採用と再教育にコストがかかる
・教育の一貫性が保てない
これらの悩みを抱えた院長にとって、外部サポートの導入は一つの解決策となるかもしれません。効果的な新人教育を実現するために、新人教育の課題とその改善案について詳しく解説します。また、外部の専門家の力を借りることで、どのようなメリットが得られるのか、具体的な方法についてもご紹介していきます。
歯科医院の新人教育の現状と課題
歯科医院の新人教育は、医院の未来を支える重要な要素ですが、歯科医院び新人教育の現状には多くの課題が存在します。
歯科医院における新人教育の現状
歯科医院における新人教育は、従来のマニュアルや先輩スタッフによるOJT(On-the-Job Training)が中心となっています。新人スタッフは、診療補助からスタートし、徐々に受付業務や院内清掃、患者対応など、さまざまな業務を学びます。
しかし、日常の業務が忙しい中で、新人教育に十分な時間と人員を割くことが難しいのが現状ではないでしょうか。
新人教育の課題
⑴新人指導にあたる時間と人員の確保
忙しい診療スケジュールの中で、新人教育に割ける時間が限られています。特に、スタッフの数が少ない場合、一人ひとりに対して丁寧な指導が行き届かないことが多いです。
加えて、新人教育担当の負担が大きくなることや診療時間を割いて行うため患者さんの予約に影響が出ることも考えられます。
⑵新人教育マニュアルが作成時のままで更新されていない、もしくは新人教育マニュアルの内容が足りない
新人教育マニュアルが整備されていないため、新人スタッフが何をどのように学ぶべきかが不明瞭になることがあります。これにより、教育の質にムラが生じやすくなります。
教えた教えてない論争やマニュアルが役に立たず使用できないなどの問題にも発展していきます。
⑶コミュニケーションの課題
新人と既存スタッフとのコミュニケーションがうまく取れず、指導内容が十分に伝わらないことがあります。これが原因で、誤解やミスが発生することも少なくありません。
先輩には、言い辛い聞き辛いなどの新人からの悩みや新人との距離感が難しくどうしていいか分からないスタッフからの悩みなどがあります。
その悩みを解決しないことには、新人教育も上手くは進みませんし、院内のスタッフ間の雰囲気も悪くなる可能性が考えられます。
⑷モチベーションの維持
新人スタッフが業務に対するモチベーションを維持するのが難しい場合があります。特に、業務が単調になると、スキルアップの機会が限られ、離職率が高まるリスクがあります。
モチベーションは、新人だけではなく教育担当のスタッフのモチベーションも考えなくてはいけません。
なぜ新人が上手くステップアップできないのかの悩みから「なんでできないの?私はずっと教えないといけないのか」などの不満に繋がっていく恐れもあります。
歯科医院の新人教育外部サポートとはなんでしょうか?
歯科医院の新人教育を外部に委託するやり方です。
先生方は、外部に頼んでみようかなと考えたことはありますか?
今までスタッフが新人教育を行ってきたから、今回もできるはずと思ってはいませんか?
実際、外部のサポートを受けようと思うとお金もかかりますし、うちの歯科医院のやり方になるのか不安も出てくると思います。
歯科医院の新人教育を外部サポートに頼むメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
歯科医院の新人教育を外部サポートに頼むメリット
専門的な教育プログラム
外部サポートを利用することで、統一された専門的な教育プログラムを新人に提供することができます。これにより、新人スタッフが効率的にスキルを習得する環境になります。
また、時代の流れによりどんどん教育の仕方や内容も変わってきています。そこに合わせた教育を行うことができ、新人スタッフもやりやすくなるでしょう。
時間と人員の節約
外部の専門家が歯科医院の新人教育を担当することで、院長や既存スタッフの時間を割く必要がなくなります。その結果、日常の診療業務に集中することができ、患者さんへの医療提供は変わらず行うことができます。
どこの歯科医院も今の診療スタイルのままでは、新人教育の時間は取れないのではないでしょうか?
どこかの時間を削り、その分の作業が後々くる状態になると新人スタッフにも既存スタッフにも負担が増えてしまいます。
外部に頼むことで今の診療を継続でき、スタッフの負担増加を阻止することができます。また、患者さんの満足度も落とさない結果に繋がっていきます。
第三者の視点でのアドバイス
外部の専門家が入ることで、第三者の視点からのアドバイスやフィードバックを受けることができます。これにより、内部では見落としがちな課題や改善点を発見することができます。
今まで通りも悪くないのですが、よりより環境づくりを目指していくのであれば、他人目線な意見は重要になってきます。
歯科医院の新人教育を外部サポートに頼むデメリット
コストがかかる
外部サポートを利用する1番のデメリットは、コストがかかることです。特に、小規模な歯科医院にとっては、コストが負担になることがあります。
院長先生の中には、外部のサポートを雇うくらいなら、既存スタッフが行きたいと言っていたセミナー費を出してあげたいなどスタッフ思いの先生もいらっしゃいました。
内部(既存スタッフ)との連携・コミュニケーションが必要
外部サポートを効果的に活用するためには、内部との連携が欠かせません。外部の専門家が提供するプログラムを、院内でどのように実践するかを考える必要があります。
院長だけではなく、スタッフ全員とミーティングをし、新人教育プログラムについて共通しておく必要もあります。
一過性の対策になりがちになる
外部サポートを一時的に利用するだけでは、持続的な効果を得るのが難しいことがあります。短期間のサポートではなく、長期的なサポートとして取り組んでいくことが必要です。
外部サポートを活用した新人教育で期待できること
では、より良い環境で新人教育をしていくためにはどうして行ったら良いのか。院内の教育システムだけではなく、外部のサポートを上手に使っていく方法を3つご提案させていただきます。
専門的な教育プログラムの導入
外部サポートを利用することで、専門的な教育プログラムを導入することができます。
例えば、歯科衛生士の新人教育に特化したプログラムを提供する企業やコンサルタントを活用することで、新人スタッフが短期間で基本的なスキルを習得できるようになります。
これは、人に伝えるテクニックや人を動かすテクニックを持っているからです。新人教育は、教えるだけでは習得できません。教えて、理解して、実践して、改善し、再度実践をしていくところのサイクルを上手く組み込んでいくため、短い期間でも習得ができるようになってきます。
メンター制度の導入
外部サポートと連携してメンター制度を導入することも効果的です。メンターって何?必要なの?と思う先生も多いのではないでしょうか。
経験豊富なスタッフがメンターとして新人をサポートし、質問や相談がしやすい環境を整えることで、新人の成長を促進します。
また、外部の専門家だから、聞きやすく話しやすい環境になることもあります。メンターの役割は外部に置くことで、新人スタッフ以外の院内全てのスタッフのマインドも把握しやすく整いやすいでしょう。
定期的なフィードバックと評価を行える
外部サポートを利用することで、定期的なフィードバックと評価を行うことができます。新人スタッフに対して定期的にフィードバックを行い、成長を実感させるとともに、課題を明確にして改善を促します。
また、外部の専門家が評価を行うことで、公正かつ客観的な評価が得られます。院内のスタッフがやると個人的な主観や感情によって左右されることも危惧されます。
歯科衛生士から見た新人教育の現状と期待
現役の歯科衛生士から見た現在の新人教育には、多くの課題が存在します。特に、忙しい診療スケジュールの中で十分な時間を確保できないことや、教育プログラムが体系化されていないことが問題となっています。
また、院内でのコミュニケーションの不足やモチベーションの維持の難しさもあるでしょう。
院内でできると思っていたことが、院長が思っている以上にスタッフには負担になっていることもあります。見えていないだけの不透明な問題点の炙り出し、新人だけではなく既存のスタッフの環境改善など、外部サポートをしてもらうからこそできることもあります。
外部サポートが入るとスタッフ間の関係性がより複雑になるのでは?と思われる院長先生もいらっしゃいますが、新人教育の外部サポートを入れる方が歪みあった関係になることはなく良い関係性を築けていけます。
歯科衛生士が離職する理由の上位に「人間関係」での退職が多いです。新人教育を外部に任せるのも歯科衛生士が辞めない環境作りの1つとなるでしょう。