インビザラインは「新規事業」である
2023年11月4日
インビザラインは新規事業
さて、突然ですが質問です。
インビザラインを導入している歯科医院のうち、年間50症例未満の割合はどのくらいだと思われますか?
ちなみにこれは、約50医院の支援をさせていただいてきた経験と、個人的に集めた情報を元にしているもので、インビザラインジャパンの公式見解ではありません。
あくまで私の推定ですが、症例50未満は8割です。
つまり「年間50症例以上の歯科医院は全体の2割しかない」ということです。
さて、弊社はインビザラインワンストッププロモーションという、インビザラインの集客全ての支援をするサービスの他に、新規事業立ち上げサービスも行なっています。
経済産業省が出したデータをもとに計算してみると、この新規事業立ち上げの成功率は約14%です。
このことから、インビザラインとは「インビザライン事業」というこれまでとは根本的に違う新しい事業として取り組まなければいけないのだと気づきました。
つまり、これまでの保険診療と同じような考え方と進め方では、成功は難しいということです。
新規事業とは何か?
そもそも新規事業とは何なのか?
ここでは重要な概念である「ビジネスモデル」について説明したいと思います。
ビジネスモデルの定義をお伝えするよりも、ビジネスモデルキャンバスという図をみながら、ざっくり全体像を掴んでいただこうと思います。
端的にいうと、事業は9つの要素が絡み合ってできているということです。
実際に歯科医院のビジネスモデルキャンバスを作成する時の順番で見ていきますと
①顧客と課題
私たちは事業を「顧客の課題をリソースを組み合わせた独自の強みで解決し続けること」としています。その事業の目的、行う意味に当たるのが、顧客と課題です。インビザラインで言えば、歯並びにコンプレックスを持っている25歳〜34歳女性などです。
②リソース
事業の目的を達成する手段に当たります。どんな人材、設備、ノウハウ、どれくらいの資金を持ってるか?ということです。インビザライン事業で言えば、iTeroや矯正の認定医などです。
③ソリューション
そのリソースをどのように組み合わせて顧客に提供するか?ということです。例えば小児歯科専門医がいるなら、小児に特化したインビザラインファースト治療などです。
④顧客との関係
顧客にどのような存在と見られたいか?ということです。たとえばホテルのコンシェルジュのようなのか、英会話スクールの講師のようなのか、ということです。いわゆるブランドイメージと関係します。
⑤チャネル
顧客にどうやってソリューションを提供するか?ということです。顧客とソリューションをつなぐ橋のようなイメージです。例えば、HPや広告、そして店舗そのものなどです。詳しくは後ほど説明します。
⑥重要な活動
事業を成功させるために必要な行動のことです。インビザライン事業であれば、医院スタッフのインビザライン自体の商品理解や院内プロモーションの強化などです。こちらも詳しくは後ほど説明します。
⑦キーパートナー
事業を成功させるために、どんな社外のパートナーが必要か?ということです。インビザラインジャパンさんはまさしくキーパートナーですし、弊社もここに加わらせていただくかもしれません。
⑧収益モデル
どのような契約形態で、どのようなタイミングで、いくらの収益を上げるのかということです。インビザライン事業であれば、価格はいくらにするのか、デンタルローンを導入するのか、などです。
⑨コスト構造
事業を成功させるために、どのようなものにいくら投資するのか、ということです。itero購入費やアライナー購入費などです。
以上の9つを具体化してキャンバスに埋めてみて、全体がしっかり噛み合っているかをみることが、新規事業を立ち上げる時の重要なステップになります。
なお、このビジネスモデルキャンバスは、医院ごとに異なります。医院のある場所によって顧客と課題は変わりますし、先生ご自身をはじめとしてリソースも変わるからです。
なので、他の医院での成功事例がそのまま当てはまるということはまずありません。あってもたまたまで、長続きしません。
医院ごとに、インビザライン事業の進め方は異なります。このビジネスモデルキャンバスを「羅針盤」として、少しずつ未知の世界を切り開いていきましょう。
次回は「そもそも集客とは何か?」についてお話しします。